夜になると血圧が高くて不安になる。長年お薬を飲んでいるけれど、本当にこのままでいいのか気になっている。そんな方に向けて、「自律神経」と「高血圧」の関係を、自律神経専門の整体の視点からわかりやすく整理していきます。
高血圧は「悪者」ではなく、体が脳を守るために血圧を上げている場合もあります。ただし、だからといってお薬を自己判断でやめてしまうのはとても危険です。この記事では、その間にある大事な考え方と、今日からできるセルフケアのヒントをお伝えします。
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なぜストレスで血圧が上がるのか?

「ストレスを受けると血圧が上がる」とよく言われますが、これは偶然ではありません。ストレスがかかると、脳はいつも以上に多くの血液と酸素を必要とします。脳は心臓よりも高い位置にあるため、そこに血液を届けるには、ある程度の“圧”が必要になります。
その結果、心臓は血圧を上げて、脳の血流を確保しようと働きます。つまり、血圧上昇は「脳の病気を防ぐための防御反応」として起こっていることが多いのです。
血圧上昇は脳を守るための反応
ストレスが続くと、まず脳が「もっと酸素と栄養が欲しい」という状態になります。ところが、首まわりや肩の筋肉が硬くなっていたり、姿勢が悪かったりすると、単純に血流を増やしただけでは脳まで十分に届きません。
そこで体は、「心臓のポンプ力を上げる=血圧を上げる」という方法をとります。このとき重要な役割を果たしているのが、大動脈弓や頚動脈洞にある“血圧センサー”です。
このセンサーは、「今どのくらいの圧で血液が流れているか」を常に感じ取り、脳へ情報を送ります。脳が「もっと血液が必要だ」と判断すると、交感神経に指令を出し、心拍数や血圧を上げるように心臓へ命令します。
つまり、血圧が高いからといって、ただ単に「体に悪いことをしている」のではなく、「脳の酸欠を防ぎたい」という体の優先順位が働いた結果として、高血圧になっているケースが少なくありません。この視点を持っておくと、「血圧=すぐに悪者」という見方から一歩抜け出すことができます。
ストレスが続くと悪循環が起きる
問題は、この状態が“長く続く”ことです。一時的な血圧上昇であれば、ストレスがおさまれば血圧も落ち着きます。
しかし、仕事や家庭の悩み、慢性的な睡眠不足などが続くと、交感神経が休む時間がなくなります。その結果、心臓は「常にフル稼働」に近い状態になり、血圧は高いまま固定されてしまいます。
さらに、首・肩・背中の筋肉が硬くなることで、余計に脳への血流が悪くなり、体は「もっと血圧を上げよう」と反応します。これが、ストレスと高血圧の悪循環です。
自律神経のバランスを整えないまま薬だけで押さえ込もうとすると、体は「脳への血流を守りたい」と「薬で下げられる」の押し合いになってしまいます。このギャップが大きいほど、だるさや頭重感、めまいなどの不調として現れやすくなります。
薬で血圧を下げれば安心なのか?

高血圧と診断されると、多くの場合まず降圧薬が処方されます。もちろん、必要なお薬が命を守ってくれているケースもたくさんあります。一方で、「長年飲み続けているけれど、このままで良いのか?」と不安を感じている方も少なくありません。
大切なのは、「どこまで下げるのが自分にとって安全なのか」「自律神経の状態はどうか」を一緒に考える視点です。
無理な降圧が脳血流を下げることも
血圧は単なる“数字”ではなく、「脳や臓器に十分な血液を届けるための圧」です。元々ストレスや姿勢の問題で脳血流が不足しやすい人が、薬で数字だけを下げてしまうと、かえって脳への血流が足りなくなる場合があります。
その結果、
といった症状が出ることもあります。
「それでも数字が下がっているから安心」と思い込み、体のサインを見逃してしまうと、本末転倒になってしまいます。特に、もともと低血圧ぎみだった方が急に薬で強く血圧を下げると、体がついていけないことがあります。
もちろん、医師が必要と判断した薬を否定するわけではありません。ただ、「脳を守るために体が血圧を上げている面もある」ということを理解したうえで、どの高さを目標にするのかを医師と相談していくことが大切です。
薬とセルフケアをどう両立させるか
ポイントは、「薬をやめるか/続けるか」という二択ではありません。大切なのは、
この三つを日常のケアで積み重ねていくことです。
そのうえで、血圧の数字や体調の変化を見ながら、主治医と相談しつつ薬の量や内容を調整していく。この順番がとても重要です。
現場の感覚としては、セルフケアを続けることで、「以前より少ない量のお薬で安定する」「医師と相談しながら、徐々に減薬できた」という方もいらっしゃいます。
ただし、ここで絶対に忘れてはいけないのは、「お薬の中止や変更は、必ず医師と相談して行う」ということです。自己判断で急にやめることは、血圧の乱高下や脳心血管のトラブルにつながる危険があります。
自律神経から血圧を整えるには?

では、お薬に頼り切りにならず、自分でできる範囲で血圧と自律神経を整えるにはどうしたらいいのでしょうか。キーワードは「脳血流を一時的に安全に高めて、血圧センサーを慣らしていく」ことです。
ここでは、まとめ文で挙げていただいたセルフケアを中心に解説します。
脳血流を高める二つのセルフケア
おすすめのセルフケアは次の二つです。
4-7-8呼吸は、「4秒かけて鼻から吸う → 7秒息を止める → 8秒かけて口から吐く」というリズムで呼吸を行う方法です。
この呼吸法は、副交感神経を高めながらも、一時的に脳への血流を増やす働きが期待できます。息をゆっくり吐くことで首や肩の緊張がゆるみ、首の血管まわりの血流も改善されやすくなります。
もう一つのセルフケアが「前頭結節を擦る」方法です。前頭結節とは、おでこの左右にある少し出っ張った部分で、ここを指の腹でゆっくり円を描くように擦ります。
ここをやさしく刺激することで、前頭部の血流が高まり、脳全体の血流にもよい影響が期待できます。あわせて、大動脈弓や頚動脈洞にある血圧センサーにも「十分な血液が流れているよ」という情報が伝わりやすくなります。
結果として、「そんなに血圧を上げなくても大丈夫だ」と体が学習していくイメージです。一回で劇的に変わるものではありませんが、毎日コツコツと続けることで、自律神経と血圧の“基準値”が少しずつ変わっていきます。
日常でできるストレスケアと生活の工夫
セルフケアの効果を高めるには、日々の生活の中でできる小さな工夫の積み重ねが大切です。
どれも特別なことではありませんが、これらが積み重なることで、自律神経の“土台”が整っていきます。この土台がしっかりしてくると、ストレスがかかったときでも血圧が必要以上に跳ね上がりにくくなります。
「完璧にやろう」と思うほどストレスになりますので、できることを一つずつ、気楽に取り入れていくのがおすすめです。
まとめ
高血圧は、単に「悪い数字」ではなく、ストレスや姿勢の問題から脳の血流が不足しないように、体が必死に守ろうとした結果として起こることが少なくありません。
その意味で、血圧を薬だけで無理に押さえ込んでしまうと、脳血流が足りなくなり、かえって体調を崩すこともあります。一方で、本当に必要なお薬が命を守ってくれているケースも多く、自己判断での中止は非常に危険です。
大切なのは、
この四つです。
今回の内容が、高血圧とお薬についてモヤモヤを抱えている方にとって、「体の本当の目的」を知り、自分の体と前向きに向き合うきっかけになれば幸いです。そして、セルフケアを通じて、自律神経と血圧の両方が少しずつ安定していくことを願っています。







